熊本の魅力 臨床研修医誌上座談会

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臨床研修医誌上座談会

「熊本県」を初期研修先に選んだ臨床研修医の皆さんに、選んだ理由や魅力などを質問してみました。

まずは熊本市内で研修中の皆さんにお聞きします。熊本での研修を志望した理由は?

榎木

私は熊大出身なので、大学で培った同期や先輩方とのつながりがそのまま生かしたいと思いました。特に熊本市内は病院の選択肢も豊富だったので。

大塚

私も熊本出身で、住み慣れた土地で研修したいと思いました。将来地元でクリニックの後を継ぎたいと思っており、熊本で働くことを考えると先輩の先生方や地域の方々とのつながりを大切にしたいと思い熊本で研修することにしました。

髙木

県外の大学に進学しましたが、熊本地震の影響が大きかったですね。故郷が心配で「地元の医療に貢献しなければ」と熊本で研修先を探しました。

鈴木

私は神奈川県出身で、縁もゆかりもなかった熊本に大学進学で来ました。最初は知らない場所に戸惑うことも多かったのですが、周りの人に恵まれて充実した学生生活を送る事ができました。将来、こういう人たちと一緒に仕事がしたいと思い、熊本県内での研修を希望しました。熊本の人は、優しいです!

𠮷丸

私は出身も大学も県外です。救急をしっかり学べる病院・実践的に医療を学べる病院を九州内で探していて、熊本に行き着きました。将来的には地元の宮崎県で働くことも考えているので、似たような地域条件で働ける場所というのも理由でした。

研修環境として、熊本ならではの魅力は感じますか?

松永

熊大病院を中心に、市内には日赤、済生会など3次救急まで受け入れ可能な病院が集まっており、地方からはヘリによる連携がしっかりできていて、地方の病院で対応困難な症例は迅速に搬送できる点が魅力だと思う。私が勤めている天草でも、「この患者はどこに送ろう」と悩む必要もなく、連携体制が固まっているのが助かります。

太田

県内に大学医学部が1つしかないせいか、あまり派閥争いがないようにも思います。先生方は優しく、他大学出身で熊本に戻ってきた人にもよく指導してくれます。県外から来る人にとって働きやすい土地柄のように思います。

大石

私は県外の大学から熊大病院へと入りましたが、とてもウェルカムな雰囲気で安心しました。正直、受け入れてもらえるか少し不安もあったので…。

榎木

確かに、地域性なのか学閥的なものは感じませんね。病院も地域も隔たりがなく、どこの地域の患者さんでも重症度に合わせて搬送し、病院間の連携もできているので、医療的に成熟している県だと思います。

北村

「熊本方式」と言われるように、独特の連携体制があるので、時代のニーズに合う地域医療のあり方を学んだり考えたりする良い機会にもなります。

木下

やはり、「災害を経験した県」であることも強さの1つだと思います。経験しているからこそ、災害医療に対応できますから。

鈴木

あとは、医師はもちろんですが患者さんに温かい人が多いように思います。医師も医療職も、患者さんと寄り添って治療をしていくという姿勢が自然で、余計なことにとらわれず研修に集中できていると思います。私は関東出身ですが、熊本弁にも染まってきました(笑)。

臨床研修する上で、ご自身が勤める病院・地域の特徴や魅力的な点は?

大塚

私が勤める済生会熊本病院は、熊本市内で年間約2万人の救急患者を受け入れています。研修医はファーストタッチから関わり、救命救急の豊富な経験を積むことができるのが大きな魅力ですね。

太田

同じ熊本市内でも、中央病院はたくさん救急車が来る病院ではありませんが、救急疾患も経験できます。病床も多すぎず少なすぎず患者さん一人一人についてじっくり考えることができます。急性期から家に帰るまでを一貫して診ることができるのも、良い経験になりますね。

大石

私は大学病院で研修中です。医師の数が多いため、たくさんの先生から指導を受けることができます。他の研修医と一緒に学べ、周りと助け合いながら臨めるのは安心です。自分の経験と他の先生の手法を見比べて得られる学びも大きいです。カンファレンスも充実しており、アカデミックな教育も受けられます。研修の自由度も高いと思います。

蓑田

荒尾市民病院は人口5万人程度の地方都市・荒尾市にある中核病院なので、症例数は適度で丁度いいです。救急は「断らない」スタンスなので、しっかり研修できます。また、元々炭坑の街なので、若い頃お酒やタバコなどで無茶をした方の特殊な症例が多いのが特徴的だという話も聞きますね。

佐藤

私も地域の拠点病院である人吉医療センターに勤めていますが、臨床経験豊富な先生が多い印象です。また当院は、熊大の医局などである程度経験を積んだ若手医師も多く、いろいろ質問しやすいのもありがたいです。

松永

天草は熊本市内から距離があり、車でないと橋を渡れません。そのため、天草地域医療センターでは「天草五橋を渡らせない」とのスローガンの元、天草圏内で医療を完結させることを目標に、各科一致団結しています。また、天草医療圏内では「あまくさメディカルネット」というIT医療連携が稼動しています。機器の共同利用や画像、診療情報を病院同士で共有でき、一歩先んじた地域医療のシステムを学ぶこともできます。

皆さんが住まれているエリアの住みやすさはいかがですか?

大石

熊大病院の立地は市の中心街からとても近く、歩いて行けるので便利です。休日も街に行ったり、福岡に新幹線ですぐ行けますね。母校がある鹿児島にも新幹線で45分で着くので、たまに遊びに行きます。

吉田

森都総合病院もお店が近くに多くて住みやすく、満足しています。街に近く歩いて行けるので、飲みに行くのにも便利です。ただ、研修医の人数が少ないので、あまり深酒できないのがネックです(笑)。

大塚

済生会熊本病院は、熊本市中心市街地から程よい距離でありながら、近隣にはショッピングモールや温泉、食事がおいしいお店もたくさんあり住みやすいです。おいしい馬肉やハンバーガーの店がオススメです。

太田

ただ、ちょっと郊外になると夕方の渋滞がひどいのが悩みどころですね…。私は院内で勉強したり近くにあるモールに行ったりして、帰宅時間をずらしています。

髙木

八代市は、田舎ではあるけど熊本の第二の都市。近くには繁華街もあり飲み屋もいっぱいあります。新幹線があることで熊本市内からアクセスが良く、市内から通勤している職員も多いです。

北村

玉名にも新幹線の駅があるので、実家がある福岡へも帰りやすいです。玉名が温泉が多く、家族風呂が多いので子ども連れでも便利です!

松永

天草は特に「食」を楽しんでいます。海産物はどれも新鮮で、ここでしか味わえないものが多いです。お気に入りは、カワハギに肝醤油がかかった丼ぶり。天草に来て体重が6kg増えてしまいました(笑)。また、飛行機を使えば、福岡まで30分で行けるのも密かな魅力です。休日に買い物に行く際は利用しています。

佐藤

人吉は、なかなかの田舎です。ただ、土地がある分周辺にゴルフ場が多く、私も人吉で働き始めてからゴルフを始めました。

熊本地震から学ぶ災害医療については?

榎木

熊本地震から3年がたとうとしているけど、いまだに仮設住宅に住んでいる患者さんがいて、地震の爪痕は残っていると感じますね。モーニングセミナーで災害時の対応を学びますが、普段の業務とは全く違って大変だと感じた。当時研修医の先輩達も大変だったと聞きました。

𠮷丸

熊本地震は直接医師としては経験しませんでしたが、院内の災害研修や救護班訓練を通して、災害時の対応に関して学んでいます。災害拠点病院で働くものとしての心構えや実際の動き方に関して学びました。当時の話を上の先生から聞くことも多いです。実体験に基づいた学びなので、イメージするだけの訓練よりも、学べる事が多いように思います。

大石

医療資源には限りがあります。必要な患者さんに適切な医療を提供できるよう、さまざまな職種の医療スタッフがチームで当たる必要があると感じました。また災害はどこで発生するか分からないので、事前に準備をして災害に備えたり、訓練の重要性を感じています。

蓑田

先日、玉名地方で震度6弱の地震がありましたが(2019年1月)、そのときも念のため救急外来へとはりつきました。被害はなくホッとしましたが、普段から意識する必要があると改めて実感した経験でしたね。

木下

やはり、一度経験しているからこそ、災害時に医療スタッフとして何が必要か、何をすべきかが分かるものですよね。とっさの判断や行動力に現れると思います。

松永

私は地震の時は熊大生で、偶然大学病院に居ました。人がたくさん来て、「津波が来るかも」など不確定な情報も飛び交い、正しい対応をとることの難しさを実感しました。今勤める天草は四方を海に囲まれているので、万が一津波が起こった場合は初期対応が命になります。病院も津波などを想定したつくりになっているようです。そのときも適切な対応ができるよう、日頃からの心構えが大切だと思っています。

「後期研修医」から「専攻医」への変化でみなさんが感じていらしゃる事を一言

𠮷丸

私が勤める日赤には後期研修医も多く、今は憧れのお兄さん、お姉さんという感じで、お手本にしています。3年目から自分も同じように思われるよう頑張らないと、と身が引き締まりますね。

大石

熊大病院の場合は、行きたい科が決まったらそのまま3年目に繋がる研修を選択することができるので、メリットが大きいと思っています。私は麻酔科を専攻するので大きな変化は感じていませんが、内科系、外科系はさらに学ぶ領域が増えるようですね。

榎木

私も脳神経外科で1階建ての領域なので、あまり変化は感じていないかな…?

大塚

私は将来、消化器内科を専攻するつもりです。新制度により、まず内科専門医を取得しなければなりません。専攻医においては早く1人前の医師として働けるようになりたいので、現在の制度で遠回りのような気もします。ただ、どの科においても患者さんは複数の疾患を持っている方が多いので、内科疾患を診療できるようになる必要があると感じています。

北村

私は3年目以降は小児科へ進みますが、内科と迷った時期がありました。ただ、新制度に変わって、内科は経験するべき症例も増えて大変になりそうという印象はあった。私は子育てしながらの勤務になるので、いろんな科を回ることで生活リズムも変わり、大変だと感じたのが、正直なところです。

吉田

とにかく変化にしっかりついていけるように、という思いですね。熊本市外の出身で中学から県外に出て、まだまだ熊本に戻ってきて2年なので、熊本の医療にしっかり入り込んで頑張っていきたいと思います。

佐藤

私は学生時代から整形外科を目指していました。以前のプログラムだと、回る病院がその都度、配属直前に決まることも多かったそうですが、新プログラムだとある程度決まっているようなので、効率的で準備もしやすそうです。

鈴木

私はまだ3年目以降は決めていませんが、新制度だと専門の勉強をする期間が長くなるため、より実力がしっかりつくと前向きに感じていますね。

最後に、熊本県での研修を検討されている学生さんへメッセージを!

𠮷丸

救急症例も豊富で実践を通して医療を学ぶ機会がたくさんあります。医師として実践で働きながら学びたい方にはおすすめの環境が揃っていると思います。また県外へのアクセスも豊富なので、週末を利用して研修会や学会にも行きやすい環境です。実践したことをやりっぱなしにしたくない人にもおすすめの環境だと思います。

佐藤

最終的に研修の場所がどこになっても、やるべきことは一緒です。ただ、そのためにも、いろんな所を見に行って自分に合う場所を決めた方がいいと思います。

太田

熊本は市内も郊外も選択肢が豊富なので、自分に合う場所が見つかると思います。研修医の雰囲気がそのまま病院の特徴を表すと思うので、研修医をじっくり見て、研修先を探すといいですよ。

榎木

熊本県は救急医療を頑張っている病院、地域医療を頑張っている病院とそれぞれに特徴があるので、自分の希望する臨床研修に合わせた研修先を選ぶことができる土地です、熊本市内でも、西区は他の区に比べて高齢化率が高かったりと、市内でもいろんな選択肢があります。

大石

そして、熊本には多くの優しい熱心な指導医の先生方います!学閥なども感じないので、県外出身でも安心して学べるはずです。

鈴木

そうですね、熊本はどこでも親切な人が多い印象があります。学生の時に抱いていた夢や情熱を、これまで以上に広げられる研修ができると思います。周りのスタッフも含めて、いい空気だと思います。県外出身でも安心して来てください。

松永

熊本の医療の現状として、熊本市外での医療圏の医師不足が深刻です。若いときに地域医療に従事し、地方の課題を目の当たりにし、医療に携わる中で喜びや厳しさを経験すれば、医師として数段パワーアップできると思います。地域医療に興味のある皆さんが出てきてくれるのを期待しています。

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