先進医療

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熊本県の先進医療

熊本県では、様々な先端技術を用いた医療への取組みが行われています。治療を行う際、患者の負担を少なくするための先端技術の導入、「熊本型」と呼ばれる救急搬送体制の構築、そして、緊急性の高い小児重症患者に対し、24時間対応する小児救命救急センターなど、これらの試みは全国的に注目されています。未来の医療へとつながる、先進医療に触れながら学ぶ喜び。ここでは、4つの取組みをご紹介していきます。

手術支援ロボット「ダヴィンチSi」

「ダヴィンチSi」とは?

2013年3月、九州で初めて熊本大学医学部附属病院に導入された「ダヴィンチSi」とは、医師がハイビジョンカメラの3D映像を見ながら、4本のアーム(カメラアーム1本、鉗子アーム3本)を持ったロボットを遠隔操作するという、内視鏡手術支援ロボットのこと。極端な動きを防止する手ぶれ補正機能などが備わり、安全性を保っています。使用するメリットとしては、術後の疼痛が少なく回復が早いこと、低浸襲(=体に負担が少ない)などが挙げられます。

機能について

「ダヴィンチSi」は、第2のコンソールを使用すると、二人の術者が同時に術野での手術が可能という、デュアルコンソール機能を搭載。これにより専門分野が同じ、もしくは異なる術者が手術で協力することができ、また、熟練者による指導や監督が容易になりました。さらに、ハイビジョン映像の実現で、術野がよりリアルな三次元立体映像で表示され、細部まで明瞭に見られることにより、詳細な手術が可能となっています。

取材協力:熊本大学医学部附属病院

ハイブリッド手術室

ハイブリッド手術室とは?

2013年4月、県内で初めて済生会熊本病院に「ハイブリッド手術室」が導入されました。「ハイブリッド手術室」とは、手術台と心・脳血管X線撮影装置を組み合わせた治療室のことで、これによって、手術室と同等の空気清浄度の環境下で、カテーテルによる血管内治療ができるようになりました。この組み合わせにより、最新の医療技術への対応が可能となります。
外科的には最小限の切開を加えた後、そこから低侵襲治療(=体に負担のない治療)を代表するカテーテル治療(内科的治療)が可能となり、結果、手術のみでは到達困難な部位に対しても治療ができたり、カテーテルのみでは治療できない疾患に対しても手術を同時に行えたりと、小さな創や少ない侵襲で治療ができる、大きなメリットがあります。

治療について

先天性心疾患に対するカテーテル治療や、脳動脈瘤や大動脈瘤に対する血管内治療など、これらの治療を「ハイブリッド手術室」で行うことで、より安全に清潔に手技を完結させることができます。また、先進的技術である、心臓弁膜症に対するカテーテル治療への取組みも始まっています。

取材協力:済生会熊本病院

写真提供 : 東芝メディカルシステムズ(株)

ドクターヘリ

「ドクターヘリ」とは?

救急医療用の医療機器を装備したヘリコプターのこと。消防機関からの出動要請に基づき、救急医療の専門医と看護師が同乗し救急現場に向かい、いち早く患者さんに救命医療を行うことを目的としています。時速約250キロで飛行するため、半径50キロ圏内であれば15分以内で救急現場に到着することができ、迅速な初期診療を行うことで、救急患者の救命率の向上や後遺症の軽減を図っています。

取材協力:熊本赤十字病院

「熊本型」ヘリ救急搬送体制とは?

熊本県ではドクターヘリと防災消防ヘリ「ひばり」が、2機の特長を活かした役割分担と相互補完によって、県内全域をカバーしています。さらに、熊本市内4つの基幹病院が連携し、救急医療を行う「熊本型」のヘリ救急搬送体制を構築。救命率の向上を図っています。

取材協力:国立病院機構熊本医療センター

特 長
○2機のヘリの特性を生かした、明確な役割分担と、それぞれのヘリ対応ができない場合の相互補完
○消防機関からのヘリ出動要請を、県防災消防航空センターがワンストップで対応
○県防災消防航空センターが受け、要請された内容を4つの基幹病院が同時に共有

2機×4病院。安心の連携。

4つの病院間で連携して、救急搬送に備えます。

主な役割

  • ○ 医師、看護師による早期治療が必要な救急現場への迅速な出動
  • ○ 現場での医師の判断による症状に応じた医療機関への搬送
  • ○ 防災消防ヘリが出動中の病院間搬送対応

「ドクターヘリ」は、救急用の医療機器を装備し、救急医・看護師が搭乗した専用のヘリコプターです。熊本赤十字病院が基地病院として運用しています。

主な役割

  • ○ 重篤患者の病院間搬送による地域の救急医療機関支援
  • ○ ドクターヘリでは対応困難な現場での救急活動
  • ○ ドクターヘリが出勤中の救急現場への対応

熊本医療センターが、病院間の搬送の調整がつかない時の最終的な受け入れや、必要に応じた医師の搭乗など、防災消防ヘリの医療的支援を行います。

小児救命救急センター

「小児救命救急センター」とは?

熊本県には、診療科の領域を問わず、全ての重篤な小児救急患者を24時間体制で受け入れることができる、県の指定を受けた「小児救命救急センター」があります。
また、ここはドクターヘリ基地を兼ね備えたという点において、全国初の施設です。センター内には24時間365日、昼夜を問わず対応するPICU(小児集中治療室)が完備され、ドクターヘリや防災消防ヘリ、ドクターカーとの連携も加わって、救急搬送された小児重症患者を収容し、集中的な治療を行っています。全国的に整備が遅れている小児救急医療の充実を図るため、南九州の拠点病院としての役割を担う施設です。

PICU(小児集中治療室)とは、救急搬送された重篤な超急性期の小児患者や難病疾患を持つ小児患者を収容し、集中的な治療を行う施設のことです。日本のPICUは術後管理に特化したケースが多い中、県内の施設の場合は、緊急性の高い小児重症患者に24時間対応していることが特徴です。人工心肺や頭蓋内圧モニター挿入など、特殊治療を要する患者に対しては、チーム医療に取り組むなど関連する部署と連携しています。また、南九州唯一のPICUであり、ドクターヘリ、ドクターカーなどの広域搬送システムの確立により、県内のみでなく県外からの重症患者の受け入れも増加しています。

【対象とする疾患】

呼吸不全、敗血症性ショック、細菌性髄膜炎、急性脳炎、急性脳症、けいれん重積、心不全、腎不全などの内因性疾患や小児外科術後、脳神経外科術後、交通外傷などの外因性疾患

通常、新生児はNICU(新生児特定集中治療室)で管理されることが多いが、県内の施設の場合、呼吸不全や新生児仮死などの患者も受け入れが可能

取材協力:熊本赤十字病院